目を輝かせながら話をする光平は、眩しく見えた。
一言一言に夢が詰まっているように感じた。
俺にはないものを光平は、持っている。
そのことを突きつけられて、俺はなんだか悲しくなった。


「・・・でさ、真司」
「なに?」
「俺が作ったら、お前歌ってくれるか?」
「・・・俺が?」
「お前の方が歌うまいし・・・きっと大切に歌ってくれるだろう?」


俺の曲は、俺じゃなくて真司に歌ってほしい。
そう、光平は言った。
何も考えていない俺が歌って果たしていいものなのだろうか?
歌が台無しにならないか?
すぐに答えの出せない俺に、光平は笑う。


「深く考えなくて良いんだよ。ただ、歌ってくれれば良い」
「でもさ、」
「ま、いつ出来るかわかんねえから」


気長に待っていてよ、と光平は言った。
俺は、その言葉に生返事を返してから逃げるようにギターを弾いた。
それに合わせて光平ものってくる。
そこからは、ずっとひたすら時間の許す限り二人で音楽に没頭した。
まだ明るかった空も気がついたときにはすっかり陽は沈んでいた。
辺りは薄暗くなってきていて、夜が訪れようとしている。


だいぶ、集中していたなと思いながら俺は携帯を出して時間を確認してみた。
今の時間は19時半。


「うお、もうこんな時間か」
「?何時?」
「7時半」
「道理で暗くなってきているわけだ」


ハハッとお互い笑い合う。