俺にはそれが限界だった。
後は、もう転校生にお任せして俺は、なぜかぬいぐるみを持ちながらぼんやりとしていた。


「よし、おーわり!」


転校生は、満足そうにそこから出た。
俺も続いて出る。


「写真は?」
「今から出てくるよー」


取り出し口みたいなところは、機械の外側に着いていて、プリクラが出てくるのを待つ。
何分かそこで待って、カシャンと音を立てて、四角いプリクラが出てきた。
転校生は、取り出し口から取り出して満足そうに笑っている。


「ありがとう」
「・・・あぁ」
「中々良い感じだよ」


転校生は、俺に出来たプリクラを見せてきた。
見てみると、そこには俺と転校生が映っている。
しかし、目が大きくなっていたりと本当の俺の姿とは少し異なって見えるような気もする。


「ふふ、面白い」
「そうか」
「半分こしなきゃ」
「いい。やる」
「え?」
「俺は、そういうの苦手だから。転校生が好きなようにしたら」


ぬいぐるみを渡しながら俺は言った。
転校生は、プリクラをジッと見つめた後、「それなら」と自分の財布の中に挟んだ。
大きさもあるので、挟めなかった部分は飛び出ている。
それを大事そうに自分の肩掛け鞄の中に入れた。