「真司君、すごい顔」
「うるさい」
「ほら、次いくよー」


また、機械がカウントダウンを始める。
転校生はすぐにポーズを決めた。
しかし、俺は正直写真とかも苦手なので、どんなポーズをとっていいのか分からない。
また、なんとも言えない写真になった。


「はい、これもってー」


そう言われて、転校生にさっき俺がとった大きな猫のぬいぐるみを渡されて、しかもどんっと衝撃を受けたかと思えば、ぎゅうっと転校生に抱きつかれていた。
驚く間もなく、シャッター音が鳴り、転校生はすぐに離れた。
それから何枚か撮ったあと、これでおしまいという機械の合図があった。
転校生は、荷物を持つと、機械から出て、すぐ近くのカーテンがあるところに入った。
俺もついていくと、そこは、画面があって、その前に座れるように高めの椅子が置いてある。


「ここ、なに?」
「え?今からお絵かきするんだよ」


慣れたように転校生は椅子に座ると、画面の傍らにあるタッチペンを手にとって画面をタッチする。
俺も隣に座って見てみると、さっき撮った写真が出てきて、スタンプやらペンやらの表示があった。


「好きなようにしていいよー」
「・・・」


転校生は、画面をタッチしながら、スタンプを押してみたり、ペンで何か書いたりしている。
俺もタッチペンを持ってみたものの、何をどうしたらいいのか分からず、とりあえずスタンプを押してみた。