「行くよー」


ズルズルと引きずられて中に入れられた場所は、女子たちは大好きだろうプリクラコーナーだった。


「いや、・・・無理」
「無理じゃないよー。お願い聞いてくれるっていってたじゃん」
「ここだって聞いてたら言わなかった・・・というか、先に良いって言えって言ったろ」
「へへー言質とったのー」


そう言って転校生は俺が逃げないように手をしっかりと握ってくれている。
転校生は、3台くらいあるプリクラ機の中から適当な奴に入った。
ライトが明るくて装飾も派手だ。
転校生は、お金を出すと、機械の中に入れた。
転校生だけに出させるわけにはいかないので、俺も財布を出すが、わがまま聞いてくれているからと言われてお言葉に甘えることにした。


お金を入れた瞬間に機械が誘導してくれる。
俺はこの手は全く分からないので、もう転校生に任せることにした。
彼女は、手際よく画面をタッチしながら設定していく。


「ほら、おいで」


手招きされて転校生に近づくと、機械がカウントダウンを始めていた。


『ハイ、3.2.1!・・・カシャ!』


シャッター音も鳴って、何が何だか分からなかった。
呆然としていると、機械の画面に今撮られた俺たちが映し出される。
流石というか、転校生は上手にポーズを決めている。