「良かったな」
「うん」
また並んで歩き始めた。
建物の端っこまで行ったが、特に見てみたいと思った店はなかった。
本屋も今はほしい漫画ないし、用事はなかった。
「ね、ゲームセンター行ってもいい?」
「え?あぁ」
転校生が急にゲームセンターを指さして言った。
意外だったので一瞬驚いたが、俺は頷いた。
ゲームセンターに入ると、ゲーム機の音がガチャガチャしている。
耳が痛くなりそうな位だ。
割と多くスペースの取られたゲームセンターで、UFOキャッチャーがたくさん並んでいる。
奥にはコインゲームやその他のアトラクションが置かれているみたいだ。
俺たちは、ぶらぶらUFOキャッチャーを見て回る。
小さなキーホルダーのUFOキャッチャーや大きなぬいぐるみ、おかしや生活雑貨など様々な種類があった。
「え、なにこれ?」
「・・・ドレッシング?」
「こんなのもUFOキャッチャーするんだね」
業務用のごまドレッシングが商品になっていた。
顔を見合わせて苦笑し合って、俺たちはまた違う機械を見る。
「あ!」
転校生が声を上げた。
目を向けると、転校生の目の先には大きな猫のぬいぐるみがあった。
「猫?」
「そう、このキャラクター大好きなの」
聞けば、転校生がはまっている漫画に出てくるキャラクターのぬいぐるみらしい。
大きいから抱き枕にもなりそうだ。