どれくらい休んでいたか、体が楽になってきた。
それは、転校生も同じだったようで、彼女は立ち上がって伸びをした。


「よし、復活。真司君は?」
「俺も」
「じゃあ、見て回ろっか」


荷物を持って俺たちは並んで歩く。
ショッピングモールの服屋と言っても、どちらかといえば女性ものの店が多い。
俺は、服よりも靴を見てみたかった。


「あ、この服かわいい」


転校生は、店頭に置いてある服を手にとって広げてみている。
その隣に、靴屋があった。


「俺、靴屋に行っても?」
「あ、うん。私、ここ見てみたい」
「了解」


俺たちは、それぞれ行きたい店に入る。
最近靴を買っていないからほしいなと思った。
スニーカー好きだ。重い靴よりは軽い靴がもちろん良いし、走ったりもするからクッション性もあるのがいい。
たくさん並んでいる靴を一つひとつ見ていく。
柄があるよりは、シンプルな白とかが好きだ。
白は割と服にも合わせやすいし、良い感じなのが多い。


「サイズとか言って頂けたら出しますので」
「あ、はい」


靴を見ていると店員に声をかけられる。
いきなりだったので少し驚いたが、小さく返した。
店員も仕事だからするのは分かるが、こうして話し掛けてこられるのは苦手だ。
そっとしておいてほしい、用があるときはこっちから話し掛けるから、と思ってしまう。