お金を入れて、目に入ったお茶を適当に2本買う。
1本は自分で、もう1本は転校生に。
俺は、ソファに戻って疲れて沈んでいる転校生に持っているお茶を一本渡した。


「え、私に?」
「いらないならいいけど」
「いる!ありがとう」


転校生は笑顔で、お茶を受け取ると、ふたを開けて一口飲んだ。


「おいしー」


俺も自分が座っていた場所に座り直して、お茶を飲んだ。
冷たいお茶が、喉を通って体に染み渡って行く感覚が広がっていく。
気持ちが良い。


「うまい」
「ねー生き返るねー」
「あぁ」


もう一口飲む。
転校生は、よほど喉が渇いていたのだろう、もう半分以上なくなっていた。


「はー・・・」


ソファの背に体を預けて力を抜く。
目の前は、100円ショップや服屋や靴屋など専門店が並んでいた。
少し先の方を見れば、ゲームセンターや本屋も見えた。
大きなショッピングモールだから店もたくさんある。


「ここ、結構お店入ってるねー」
「そうだな」
「あ、あの洋服、かわいいなー」


転校生も女の子だ。
服屋を見つめて並んでいる洋服を目を輝かせながら見ている。


「後で、行く?」
「うん、もうちょっと休憩してから行きたいなー」
「了解」


ショッピングモールに来たんだ、色々見てみるのも楽しいかもしれない。
体がもう少し休まったら少し歩いてみるか。