20分くらい歩いた先に、転校生が言っていたショッピングモールがあった。
意外に大きな場所だった。
暑い外の中を歩いたのでそれなりに汗をかいた。
ショッピングモールの中は、冷房が効いていて生き返るようだ。


「涼しい」
「ねー、疲れたー」


ショッピングモールの中に入る。
出入り口のところは、スーパーになっていて果物などが並んでいた。少し先を進めば、フードコートや専門店が見えてくる。


「どうする?どこか座れる場所に行く?」


転校生に聞かれて俺は頷いた。
とりあえず、座りたいという心境だった。
でも、わざわざ飲食店に入ってまで・・・と思ったので、どこかにソファかベンチが置いてある休憩所を探した。
一階には、残念ながら見当たらなかった。
エスカレーターに乗って二階に上がれば、降りた横にちょうど休憩スペースがあったので、さっそく座ることにした。


「はー疲れた・・・」


嬉しいことにソファ素材だったので、ふわふわとした感覚が体を包んでくれる。
全体重をソファに預けて、俺は息をついた。
その隣に転校生も座って同じように息を吐いた。


「流石に暑い中、外を歩き続けるのはキツいね」
「あぁ・・・」


ふう、ともう一度息を吐いて、俺の視界に自動販売機が飛び込んできた。


もう、喉もからからだ。
俺は荷物をソファに置いて自動販売機に近づいた。
冷たい飲み物が3列並んでいる。