クスクス笑いながら転校生は、歩き始めた。
俺も後を追いかけるように歩き出す。


「・・・悪かった」
「え?何が?」
「こんなところ・・・」
「?ブルーベリー好きだから嬉しいよ?」


転校生の笑みは絶えない。


「楽しんでおいでって言われたんだから楽しもうよ」
「・・・いいのか?」
「もちろん!さ、食べまくるぞー」


楽しそうなその姿に俺は、まいいかと思ってしまった。
ブルーベリー狩りの場所は、降ろされた場所より少し歩いたところにあった。
受付を済ませて、案内役の人から説明を受ける。
そして、ブルーベリーを入れるかごも受け取ってから、中に入った。
時間は、90分。
取り放題で食べ放題。
かごに入れるだけ入れて持ち帰ることも出来るらしい。


「ブルーベリーってこんな風に実がついているんだね」


木にたくさん成るブルーベリーを見ながら転校生は感心している。
俺も、実は初めてブルーベリーの木を見たので同じようなことを思った。
おいしそうな実を取って一つ口に入れてみる。

「すっぱ・・・」
「え?本当?」


転校生も一つ取って口にいれた。


「ほんと、ブルーベリーだ」
「これも酸っぱいのか?」


今度は違う実を取って食べたら、今度は甘くておいしかった。