返事が送られたことを確認して、俺はベットから起き上がった。
クローゼットの中から適当に服を選んで着替える。
そして、部屋の隅に立てかけられている、アコースティックギターを背負って部屋を出た。


リビングに行くと、着替えてアコースティックギターを背負っている俺の姿を見て、母は呆れたような表情を見せた。


「また、行くの?」
「あぁ」
「あんたも好きねぇ」
「・・・行ってきます」
「行ってらっしゃい。9時までには帰ってきなさいね」


ひらひらと手を振って見送られる。
リビングを出るときにカウンターにおにぎりが見えたのでくすねて食べた。
暖かいごはんと絶妙な塩味が口の中に広がってうまい。

もぐもぐ口を動かしながら俺はまた靴を履いて外に出た。
空は、少しオレンジに変わりかかっている。
あと少ししたら太陽が沈んでいくだろう。


夏に向かっていくから日が落ちるのはだんだんと遅くなっていく。
まだ、明るいからと油断しているととんでもない時間になっていることがあるから要注意だ。


俺は、アコースティックギターを背負いなおしてから歩き出す。
向かう先は、家から少し離れた場所にある河原だ。
徒歩10分内だから歩いて行ける。


河原には、ウォーキングをしている老夫婦や、ランニングをしている男、川の近くにあるベンチに座っているカップルやらがちらほらいた。