「塩田とどういう関係?」


ほらきた。
やっぱり転校生のことだった。


「どういうって?」
「付き合っているのかって話だよ」
「付き合ってはいない」
「本当か?名前呼び合っているし、いつも一緒に登下校しているのに?」

よく知っているな。
まるでストーカーみたいだ。


「名前は、あっちが勝手に呼んでるってだけだし、家が同じ方向だから一緒に帰っているように見えるんじゃないか?」


俺は淡々と事実だけを答えていった。
すると、クラスメイトは目を細めた。


「本当に付き合っていないのか?」
「あぁ」
「本当に?」
「本当だよ」

どれだけ疑い深いんだろうと思う。


「じゃあ、お前塩田と関わるな」
「・・・は?」
「ま、こいつの方がお前より何倍もいい男だから大丈夫だとは思うけどさ、邪魔なんだよね」


一体こいつは何を言っているんだろう。
少し理解が難しかった。


「はぁ、」
「塩田は、お前なんかより俺との方が釣り合うんだよ」
「言っている意味分かった?」


あぁ、こういう自意識過剰な男、俺は嫌いだ。
そして、きっと転校生も嫌いだろうな。
なんでか分からないけど、そう思った。
昼休みの時間は限られている。
貴重な昼食の時間をこれ以上潰されたくはなかった。


「分かった、必要以上は関わらないよ」
「分かれば良いんだよ」


男たちは満足そうに屋上から出ていった。