「あれ?元気ないね」


次の日、俺はいつも通りに学校に行って、終わってそのまま莉桜菜の病院に来ていた。
ベットに座る彼女の隣にある椅子に座って、他愛もない話をする。


「そうか?」
「そう・・・なんかあった?」


首を傾ける莉桜菜に、俺はそんなにわかりやすいのかと思う。
そう聞けば、莉桜菜は顔には出てないけど、分かると言った。


「真司君だからじゃない?さぁ、何があったの?いじめられた?」
「いじめって・・・そんなんじゃない」
「じゃあ何?お姉さんに言ってご覧なさい」
「同い年だろ・・・」


肩を竦めるが、莉桜菜は聞く気満々だ。
話をしなきゃ他の事は聞いてくれないだろう。
それに、莉桜菜に隠し事なんて出来そうになかった。


俺は、一つため息をついてから、口を開いた。


「昨日、河原で光平に言われたことがあってーーー・・・」


俺は、昨日光平に言われたこと、そして渡されたオーディションの紙の事を莉桜菜に話した。
莉桜菜は、最初は少し驚いたような表情を見せたが、相槌を打ちながら俺の話を最後まで聞いてくれた。


「そんなことがあったんだ・・」
「俺、返事出来なくて・・・」
「なんで?」
「なんでって・・・」


いきなり言われて即答出来るわけないだろう?