河原に着くと、光平はすでに着ていた。
いつもだったらギターを出して弾いているのに、今日はそうはしていなかった。
俺の姿を見ると、「よう、」と一言。


「よう」


俺も返す。
光平の近くに立つと、座るように言われた。
言われるまま横に座って光平の言葉を待つ。


「どうだった?莉桜菜ちゃんと話、出来たか?」
「あぁ・・・出来たよ」
「で?」
「・・・莉桜菜は、自分の運命を受け入れた・・・俺は、莉桜菜がしたいことを叶えてやるって決めたよ」
「・・・そうか」


光平には、俺が莉桜菜と向かい合う為に背中を押して貰った。
あのとき、光平が言ってくれなかったら、きっと俺は今も莉桜菜に会いに行っていなかったと思う。


「ありがとう、光平」
「!お前にそんな言われたの初めてだな」


光平は、笑う。


「そうか?」
「そうだよ・・・まぁ、良かった。思ったより沈んでなくて」
「沈みきったから後は這い上がるだけ・・・かな」
「底なしじゃなくて良かったよ・・・なぁ、こんな時にお前に言うのもどうかなと思ったんだけどさ、今言わないと後悔すると思って」


そう言って、光平は、俺に一枚の紙を渡してきた。