「はーい、体育祭の種目を決めます。」


第2ボタンまで開いたYシャツ。
緩んだネクタイとリボン。

そんな彼女らの前に立ち、彼女らと同じように崩した制服を着て大声をあげた。
私の隣の席に陸が座っているのを確認して、彼にニコッと笑いかける。


「まずは〜、リレーから決めちゃおうか、速い人から指名したいんだけど、いい?」


ニコッと表情を付け足すと強張っていた皆の顔が綻んでいく。


「滝留(たきとめ)さんが言うなら!」
「俺もー!」「私もー!」


ありがとうを込めて再度微笑むと複数の方面から小声が聞こえた。