私の言葉を遮ってまでなんて失礼な。
ジト目で見るとまだ何かブツブツと呟いていた。
____第2ボタンまで開いたYシャツ。
緩んだネクタイ。
ワックスでセットした髪に似合った綺麗な横顔。
昔から「美形2人組」と呼ばれた私たちは自分自身に呆れていた。
寂しさから一緒にいるようになっていたのに、それが居場所になるなんて側からみたら贅沢なんだろう。
「柚」
懐かしい呼び方で呼ぶその声に今度は私が眉を垂らせた。
午後4時、春の始まり。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…