「花」 後ろからの声に素早く反応する。 「瑠衣」 「色々バタバタしてごめんね?」 族の活動中だから花と呼ぶのか、眉を垂らせながら言う彼の気持ちは読めない。 「ああ、平気」 花と呼ばれるとどうしてもスイッチが入ってしまう。 「じゃあ1回ウチへ帰る。なんかあったら呼べ」 「うん、気をつけてね」 私は白い紙切れにスラスラと番号を書き、瑠衣へ渡すとそのまま瑠衣から背を向ける。