「っていうか夏美(なつみ)、委員会は?」
黒板に貼り付けてある用紙を指すと、あ゛〜!という声と共に、絶望感に溢れた顔をする。
私はそれが面白くて表情を柔らかく変えた。
「行ってらっしゃい」
「はーい…柚花、やっぱり笑ってた方がいーよ」
夏美はニコッと笑うと私に背を向け、ダダダと走りながら教室を出た。
高校2年生、16歳、か。
もうここまで生きてしまったのか。
生きる理由もないくせに死ねないのは死ぬ理由もないからなのかな。
未来に少なからず期待をしているからなのかな。
幼稚な頭で考えるには少し早かったみたいだ。