「俺?俺は…」
「透(とおる)?」


彼の自己紹介は私が呼んだ張本人によってかき消された。


「おう陸、こいつ誰?」
「は?こいつって何よ。私はね…」
「柚花だよ、俺の幼馴染」


またしても自己紹介を遮った陸を私と透が睨んだ。


「な、何だよ、怖ぇよ。」
「うるせえ」「うるさい」
「で、透、何の用だ。」


陸の表情が鋭く変わったのを私は見逃さなかった。


「総長が呼んでいた。」
「わーーーーー!!!!!!!」


慌てて私の耳を塞ぐ陸に透は眉を顰めた。


「分かったから」