私は自分の膝掛けを寝ている彼にそっとかけてあげようと身じろぎした。

肩にもたれられているので、彼を起こさないようにそっと動いて彼の膝にかけてあげた。

私が少し動いたら彼の頭がガクンと肩から落ちる。

キャー、あたる、あたる。

私の胸に顔を埋めるように彼がもたれかかってきたので、慌てて元の体勢に戻した。

完全に爆睡しているみたい、寝不足なのかな。

肩にもたれる彼の顔をじっと見つめている私はもう映画のスクリーンをほとんど見てはいなかった。

うっとりと、彼の形のいい唇に見惚れてしまう。