お母さんにここに座りなさいと指示された場所に座るとなにやら緊張気味話し始めた。
「・・・初めに言うけど、怒らないでね?」
「えっ、うん」
「私と美穂ちゃんで・・・その・・・
一週間ほどグアムに行こうかなと思ってて・・・」
それは衝撃の事実だった。
私に用があるのは薄々気づいてたけど、
まさかグアムに、この 前に座ってる美穂さんという人と行くなんて全く想像していなかった。
「グアム・・・??」
「うん。それでね・・・
まぁ日向のこと信用してないわけじゃないし、
頼りにしてるけど、やっぱり一週間も女の子一人で家に居さすのはちょっと心配だから、
美穂ちゃんの子供さんとこの家で暮らすのはどうかなって思って・・・」
私のお父さんは前に言っていた通り遠くに仕事に行っているから家にはいないし、祖父母もつい最近までは一緒に暮らしていたが、二人とも体を悪くして現在入院中。
「男の子だけど口数少ないみたいだし、人見知りの日向でも大丈夫そうじゃないかしら?」
「その子はいいって言ってるの?」
「今日家帰ったら聞いてみるね!きっといいって言うと思うけど・・・」
美穂さんは笑顔でそう言ってくれたけど、
私は正直男の子なんて家に来て欲しくない。
それだったら一人で一週間居た方がマシだよ。
「で、いい?それで」
「うん!全然私は大丈夫だよ」
けど、美穂さんも目の前にいるし断ることなんて到底できなかった。
「じゃあ美穂ちゃんよろしくね」
「ええ!また家に帰って、あの子にも言ってみるから連絡するね」
「ありがとう!」
「あっ、そうだ、日向ちゃん!
うちの子 日向ちゃんと同じ高校三年生だから
話も合うと思うよ!!」
下を俯いていた私を覗き込むようにして言う美穂さん。
あからさまに嫌な態度をとってしまっていたのかもしれないと思うと少し申し訳なく思ってしまった。
「あら、そうなの??良かったわね、日向!」
「・・・う、うん!」
お母さんに親友的な人ができたみたいだし、全然いいんだけどね・・・