今だってきっと私も山ほど陰口を言われてると思う。
けど、聞こえないのは つばさちゃんや美玲ちゃん、優希と仲良くしてるからだ。
「もう1回たけちゃんと話してみない?」
「でも、きっともう無理だよ」
「大丈夫だよ〜!だいいちそんな最初から無理とか決めつける必要ないじゃん!!分かんないんだから!」
「・・・そうだね!私ちょっと頑張ってみるよ」
「うん!!!」
「じゃあ、帰るね」
「うん。気をつけて帰ってね。」
「ありがとう」
そうして私達はお別れした。
たけちゃんだって簡単につばさちゃんを裏切った訳では無いと思う。
何かの理由があって・・・
じゃないとあんなに溺愛だった たけちゃんが急に浮気するくらい冷めたりしないはずだよ。
家の玄関の扉を開けると知らない人の靴が1足置かれていた。
「ただいま〜」
お客さんが来ていると思い、いつもより小さめの声で帰ったという挨拶を告げる。
「・・・じゃあ、よろしくねぇ!
そろそろ日向も帰ってくると思うし、もうちょっとだけ待ってね」
ん?向こう行った方がいいやつかな?これ。
恐る恐る声がするリビングの方へと向かう。
「あの子静かな方だからきっと大丈夫なはずだわ!」
「うちの子も口数少ない思うし、嫌じゃないとは思うけどね・・・」
「美穂(みほ)ちゃんに似てる?」
「うーん。どちらかというと旦那になってるって言われるわねぇ」
「あらそうなの?男の子なのに!」
男の子??
どういう話をしているのか気になり私は思い切ってリビングの扉を開けた。
「・・・あっ、日向!いつの間に帰ってたの?」
「お母さんただいま!今帰ったとこだよ」
「あらそう・・・
・・・あっ!日向!こちら美穂さん!」
「こんにちはぁ、日向ちゃん!
日向ちゃんのことはお母さんからよく聞かせてもらってるよ」
「こ、こんにちは・・・」
だ、ダメだ!!!人見知りが発動して上手く挨拶できない!
「あのね、日向ちゃんに少し話があるの」
「話?」
「うん」