「ねぇねぇ、さっきの優希くんかっこよかったよね?」
「うん!!スーパーマンって感じ?」
「好感度爆上げ!!!」
さっきの出来事以来、優希は今まで以上に人気者になった。
「・・・つばさちゃん大丈夫?」
まだ大丈夫ではなさそうな、つばさちゃんに少し声をかける。
「ご、ごめんね。こんな暗い雰囲気出しちゃって。」
つばさちゃんがこんな風に謝ってくるのはすごく珍しい。
「ううん。たまには頼ってくれてもいいんだよ」
「ありがとう」
そう言って、私に抱きつく つばさちゃん。
私は つばさちゃんの背中を優しくさすった。
「辛かったね。」
「うぅっ・・・っ」
昨日と立場が逆転してるみたい。
つばさちゃんみたいに上手く慰めることはできないけど、私だって頼ってもらいたいって気持ちは人並みにある。
「私っ・・・どうしたらいいのかな・・・ぁ?」
「少しずつでいいから本人に直接話聞こう」
「・・・・・・うんっ」
つばさちゃんは声を振り絞って出した。
「もう強がらなくていいから。」
「うわぁぁん〜!!」
さらに抱きつく力が強まって体がちょっと痛くなった。
でもそれくらい、つばさちゃんは辛かったんだなと改めて思う。
気づいてあげられなくてごめんね。
「あっ、つばさちん、どう?」
「み、美玲ちゃんっ!つばさちゃんは大丈夫そうだけど、あの時つばさちゃんを呼び出したのって・・・」
「あ〜っ、と。
今日放課後空いてる?」
「空いてるけど・・・」
「なら駅前のカフェでも行こっか」
「美玲ちゃんからお誘いだなんて初めてだね」
「う、うん」
美玲ちゃんは少し気まずそうな顔をして
私の体に張り付いている、つばさちゃんをじっと見つめていた。