2限目は理科。
いつも通り席に座り、理科の教科書を出す。
この前、隣の席の優希と喋ったことによって、少し優希のことを人間として気になり出していた。
チラチラと優希の方を見るけど、いつも男子に囲まれて、なかなか見えない。
「ねぇ。吉木さん。」
「は、はい・・・」
同じクラスの女子。有田さんが、話しかけてきた。
有田さんはクラスの女子のボス的存在。
今まで1度も話したことがなかったから、びっくりした。
「・・・単刀直入に聞くけど、あなた優希くんのこと好きなの?」
「えっ!?好き???」
「うん」
「す、好きなんかじゃないけど。」
確かにあれ以来、よく喋るようにはなったけど、好きとまではいかないなぁ。
「・・・あら、そう。
ならいいわ。」
「は、はぁ。」
なんだったんだろうか。
「ええー、この前行われた中間テストを返す。」
「えーっ!!」 「理科とかクソ悪そー」
「最悪なんだけど。」 「聞いてないしぃ」
みんなが口々に文句を発する。
私は理科はすごく自信があったから、どちらかというと早く返してほしい。
「お~い。みんな!一回静かにしよーぜー」
ゆ、優希・・・
「そうだな。」 「どの道返されるしね」
優希の声掛けによって、みんなが黙り出した。
優希の権力・・・一体どんなものなのか・・・・・・
「平ー、ありがとう。
では返すぞ」
「有田~」
出席番号順だから、私はすごく遅い。
その分ドキドキするんだよね。
「・・・なぁなぁ!理科得意??」
「えっ?! あぁ、得意・・・かな」
「まだ、俺びっくりされんのかぁ。」
「ご、ごめんね。 急だったから・・・」
急に横から喋りかけられると、やっぱりまだ戸惑ってしまう。
「じゃあ、ずっと喋っとくよ!慣れるよーに!」
「えっ、あっ、うん!」
「おーい!平~」
「あっ、はい!!」