「うぅ〜寒いよぉぉ〜」
「寒いな」
「緊張するし!」
「あんまりやらかすなよ?」
「・・・もぉ〜!!調子に乗らないでよね?
ちょっと私に勝ったからって〜!!」
「ふはっ・・・(笑)あれは嬉しかったなぁ」
「あの時だけだからね?」
季節は巡って雪が降る二月。
今日は国公立大学の一般入試。
私と優希は青蘭大学に来ている。
この前のセンター試験の結果は優希の方が私よりも良かった。
こんなことは初めてだったのだ。
あれから、約束のために必死で勉強したんだなぁと感心しながらも、負けてしまった敗北感が強い。
「はじめ!」
監督の先生の合図でスタートした。
字を書くシャッシャという音が鳴り響く教室。
自分でもわかるくらい心臓がバクバクと波打っている。
「日向ちゃん、どーだった?」
全ての教科が終了した後、最寄りの駅に優希と二人で向かっていた。
「うーん。まぁまぁかな」
「だよね〜」
「とか言いながら自信あるんでしょ?」
「うん(笑)」
「いいよねーそんな自信あって」
「とか言いながら日向ちゃんも???」
「バレてた?(笑)」
「まじかーっ!!」
思ったより解けたし、空白もすごく少なかった。
「あとは結果を待つだけだね」
「だね」
これで二人とも受かっていたら、また私たちはくっつく。
本当にこんなことしていいのかは分からないけど、きっと優希のことを好きみたいだし、忘れられないから まぁいいかなという気持ちが芽生えた。
「受かってますように!」
「私も受かってますよーに!」