セミがうるさく鳴り響く八月中旬

夏休み真っ只中の昼間
特に何もすることがない私は
もう手をつけてしまった課題を横目に
お昼寝中。


綺麗好きなママが毎朝、必ず掃除機をかけに
部屋に来るから
おちおち寝てられない。



だから、ママが仕事に出る九時から
私のお昼寝の時間は始まる。



今日は珍しくお昼ご飯前に目を覚まし
リビングにおりると、ママの綺麗な字で一言

あたためて食べなさい

と書いてあった。


別に言われなくったって
温めて食べるよ。

なんて文句をひとつこぼす。



うちは所謂母子家庭

早くにパパを亡くし、女でひとつ育ててくれたママには感謝の言葉しかない。

勿論私はママが大好き。



パパが死んでから、パートだったママは
学生時代取っていた秘書の資格を活かし、
今は、バリバリの仕事人間。

そんなママがカッコよくて仕方がないんだけどね。



ママが作ってくれたオムライスを温め、大口を開いて頬張っていると、すぐ脇に置いていたスマホが震えた。