優「志保…?」




私「あ!あれ食べたい」



久しぶりに呼ばれた名前。

動揺せずにはいられず、
目の前にあったジェラートを指差した



優「どれがいい?」



私「これかな、」



私が選んだのはフランボワーズの甘酸っぱいジェラート。


京輔君は甘いもの嫌いだけど

優哉君はどうなんだろう。




店員さんからひとつだけもらったジェラートを
手に道に出た




スッと車道側に優哉君が移動して


スマートにエスコートしてくれる



優「美味しい?」



私「うん。美味しい。食べる?」



普通の、カップルならそのままスプーンを渡すんだろうけど


私はジェラートを優哉君の手に渡した。





結局いけないのは優哉君だけじゃない。


距離の詰め方が私も下手だから。




私「美味しいでしょ?」




優「そうだな」



一緒に暮らし始めてから約半年

こんな会話も初めてだったりする




パーティーの日みたいに
仕事の関係なら上手くいくのかな。




一緒にいてこんなにドキドキしたりするのに
どうしても夏妃さんが出てきてしまう。



こういうこと夏妃さんにもしてたのかなとか



私じゃなければよかったんだよねって



謝られたってそれが事実なんだって






やっぱりダメだ。







優哉君は前に進もうと

私と夫婦になろうとしてくれてるのに