「私の顔、ヤバイ?」

「かなりヤバイよ。戻る前にトイレで気合い入れて来なよ」

小百合に視線を合わせることなく、曖昧に笑って頷いた。

結局、注文した素うどんは半分くらい食べたところで箸が進まなくなってしまった。

この1週間、食欲は減る一方だ。

その代わりに、なんとも言えない重たい空気と溜め息が増え続けている。

「私、先に戻るね。気合い入れて来る」

午後からも仕事はたんまり溜まっている。

ぼんやりしている暇はない。

それに、明日には部長は帰国して出社することになっている。