「キューに今度会いにきてやってよ。きっと喜ぶよー」


「うん。キューちゃんと遊びたい」



あの頃、最初は犬が怖ったあたしだったけどキューちゃんだけには触れることができたんだよね。
きっと、柊くんが触れていたから。



「なんか嬉しいな。またこうしてなっちゃんと話せてさ」


「うん。あたしも」


「たまになっちゃんにLINEしてもいいかな?」


「う、うん!」



夢みたいだった。
柊くんと連絡を取り合うなんて。



「でも、彼女は大丈夫?怒られたりしない?」



前に匠から写真のこととかで結構嫉妬深そうな印象だったから、心配になってしまう。



「大丈夫だよ。俺がなっちゃんと連絡とりたいの」


「そ、そう?」



彼女がいたって、あたしとは仲良くしてくれるってことなんだろうか。



「なっちゃんさ、匠のことが好きなの?」


「.......え?」



匠と付き合っているって噂、本当に柊くんの耳には届いてないんだ。
匠の言う通り、柊くんはそういう噂に疎いんだ。