「.......え?」



プリクラには、小学生くらいのあたしたちがいて。
それともう1人の女の子と。

それぞれに当たり前のように名前が書いてあった。



「なんで.......?」



そんなわけがないのだ。
あたしだと思っていたプリクラの中の自分のところに書かれていた名前。


〝しおん〟と書かかれていて。
その隣にいる女の子のところに〝なつみ〟と書かれているのだ。



「本当はこんなこと、死ぬまで言わないつもりでいた」


「.......え?」



すごく深刻そうな顔をしている匠に、これは冗談で話しているわけではなく、重大な事実なのだと気づく。



「そんで、これ」


「.......ネックレス?」



次に机の上に置いたのは、匠がいつもつけているものと同じもの。
違うのは〝TAKUMI〟と書かれているところ。



「小一のときにお互いの家族と行った旅行で、2人で買って交換した。これは、俺とお前の思い出だよ」



あたしの記憶には、そんな記憶がない。
どこでどうして記憶がこうなっているのか。
なぜ、あたしは詩音さんの名前なのか。



「俺はずっと前から、お前が好きだ.......でも」