「あ、あった。ほら、これ」



家に着いた、匠が普段誰も入ることのなかった部屋の中へと入っていく。



「どうして、匠がこの部屋の鍵.......?」



この部屋は、鍵がかけられてて、誰も入ることがなくて、入ることも許されたことがなかった。

でも、この部屋は誰かがずっと暮らしていたような。
そんな生活感がある。



「それは、あとから。これ、見ろよ。この写真」



匠が、机の引き出しから1枚の写真を出してあたしに渡す。



「.......?」



その写真は、小さい頃の自分が写っていて、でも、それだけではなくて。
匠と柊くんと、あたしの他にもう1人女の子がいた。



「どれが自分かは、わかるか?」


「そりゃあ.......これでしょ?」


「そうだな。これがお前だ」



当たり前の事を聞かれて不思議に思ったけど、とりあえず匠の質問に答えた。



「じゃあ、これを見て」



そう言って、指をさしたのは勉強机の横の壁に貼ってあるコルクボード。



「プリクラ?」


「あぁ、俺ら4人のプリクラ。ちゃんと見て」



あたしをコルクボードの前へと行かせる。