「はぁ.......」



行くところなんて、当然あるわけもなく、小さい頃によく来ていた公園に来てみた。



「小さくなったな.......いや、あたしが大きくなったのか」



小学校2年生以来にみた、遊具はどれもあの頃は大きく感じた。



「ここから見える景色が最高とか思ってたっけ」



よいしょっと、ジャングルジムをのぼって一番上の棒へと腰をかける。



「いつ、匠は詩音さんに出会ったんだろう.......」



そんなこと考えるだけで、胸の奥がぎゅうって痛くなるんだから考えなきゃいいのにどうしてと頭に浮かんでしまう。

こころちゃんの話では、幼なじみをすきだと言っていた匠。
小学校で出会っていれば当然幼なじみになりうるわけで。
あたしが転校してから、小学校に転校してきたとかであたしには面識がないんだろう。



「馬鹿みたい.......」



今も昔も自分より匠に近い女の子なんていないと思っていた。
そんなのただの独りよがりだったんだから。



「あれ?なっちゃん?」



ジャングルジムで空をみあげて、ぼーっとしていると下から声をかけられる。