優太は笑いながら『お前かっこいいから』とか言ってやがる。確かに…モテない。訳ではない。

「まぁ…、お前はかっこいいし、悪いし。そこに女子は惚れてんじゃね?」
「悪って…お前も。」
「俺は、かっこいいよくない!」
「馬鹿?」
「とにかく、麗はかっこいいから。」
「あ〜泣く。」
「何で?笑」
「彼女作れねぇ笑」
「確かに笑」

彼女作ったら、彼女がいじめられんのがオチ。守りきれねぇ。そのまま俺から別れる。

だから…あのときから彼女は作ってない。あのときから…。


3年前…。
俺が中2だったころ。

「れーい!」
「美嘉!」
「今日も部活?」
「おう。」
「待っとく。」
「先帰っとけ。危ない。」
「大丈夫。」
「そっか。」

美嘉はいっつも俺のサッカーの練習を見に来てた。サッカーしか見えてなかった俺が、初めて惚れた女。今までは彼女が欲しいって理由で、付き合ってきた。美嘉は…俺が本気で好きになった奴だった。だから…、絶対に絶対に傷付けちゃいけねぇのに…。

「れーい!頑張ってぇ」
「おう。」
美嘉にピースして練習に戻った。

練習が終わっていつもの待ち合わせ場所、教室に行った。
『ガッターン』
物音がした。俺は急いで教室に行った。