「麗くん!」
あ〜…またか。
「あ?」
「一緒に行こっ♪」
「無理」
「え〜?!何でぇ?」
いっつも寄ってくる奴、西崎優香子(ニシザキ ユカコ)。
だいぶだるい…。

「だーかーらー無理。」
「一緒に行くもん!」
ちょっとほっぺをふくらまして言う、優香子。

「藤岡ぁ!」
「げ…。」
「うわっ!西崎さん?藤岡に近づいただめ!」
「うるさい。麗くん行こ?」
「あー、もう来んなって。うざい。」
もうひとり、湯沢 奈津美(ユザワ ナツミ)。
朝いっつも来る。
俺は二人の手を払い、歩いた。

あ…。
俺の目の前を女子が通った。
橋口 可憐(ハシグチ カレン)。
俺の好きな子。
まだ話したことない。いわゆる一目惚れ?ってやつかもな。
高校入学した瞬間好きになった。
はやく喋りたい…。

「麗。」
「おう、優太。」
「相変わらず、モテんね?」
「まさか。」
「嘘つくな。ほら。」
優太が俺に封筒を渡してきた。しかも…15通はあるだろう。
「何これ…?まさか」
「当たり。いつものこと笑」
笑いながら俺の手にのせた。…はぁ。
ファンレターってやつ?