「そう言えば新田くんのことは分かった?」

楓は最後の一口を飲み下してから話題を振ってくる。

お弁当を食べ終えて、ここからの十数分はお喋りタイムの始まりだ。

「うん。凄い人だったんだね」

「うん。ってかね?凄さで言ったら三咲もなかなかのものだよ?

新田くんと同じピアノ奏者で、同じ県に住んでる。

尚且つ同じ学校に通ってるのに知らないとか凄すぎて」

「うん。調べてみて思ったけど私もびっくり」

「だろうね。


でもそうか、三咲はお母さんにピアノ習ってるからあんまり他の奏者と交流することないんだもんねぇ」