美しいのだ。

画面の向こうに映る彼は無表情ではあるがそれが返ってその美しさを際立たせている。

色の白い小さな顔に、切れ長の奥二重。

真一文字に結ばれている唇はそれだけで綺麗な音を奏でられそうなくらい完璧な形をしている。

少し長めの髪はハッとするほどの深い黒で、だけどきっと髪質のせいだろう。

ふわっとした深い黒髪は重たさを感じさせることはない。

「細い指……」

奏者としての命みたいな指は私より細いんじゃないかと疑うほど細い。

だけど頼りないとか弱そうって感じじゃなくて男の子らしい骨張り方をしている。