ーポーン 嘆いている間に誰かの演奏が始まる。 今日はどうやら我らがピアノ組の誰かに白羽の矢が立ったようだ。 「わっ。良かった私じゃなくて。 演奏組が担当なら評価もいらないし今日のお昼はゆっくり過ごせそうだ」 胸を撫でおろす友の声は聞こえては来るけど脳がうまく読み取ってはくれなかった。 綺麗だったのだ。 スピーカーから流れ出ているその音色が。 とても綺麗で本能的に体が他の音を排除してしまっていたのだ。