「ほぉ、まさか自ら出向いてくるとはな。」 「その手を離せと言った。」 「お前のものでもあるまい。 次期国王の座にある皇子が、なぜ乙女の力を欲する?」 ライアスは前方、眩しいほど輝くシュナインを見つめる。 「人外の力を借りずとも、」 『人外?』 ライアスのその言葉が、カティナにはひんやりとけれど鋭いトゲのように刺さった。 「国をまとめてゆけるではないか?」