十六歳で生まれて初めてゲーセンに来る子供が、一体どこに空我の他にいるというんだろう。


……少なくとも、俺たちの地元の東京にはなかなかいない気がした。


そのことに、俺は思わず泣きそうになった。こんなことで元気に笑ってくれるなら、ゲーセンでもなんでも、いつでも連れてってやるよ。


……いつでも連れてってやるから、いつでも笑ってろよ。たとえ、俺が死んでも。



――お前が楽しくなることがやりたい。


悔いなく死ねるようにやりたいことを見つけたいと思っていた矢先に、俺はふとそう思った。


たとえばそれは、死ぬまでお前を笑わせることだったり、あるいは、死ぬまでお前を悲しませないようにすることだったりするのかもしれない。


お前を笑顔にするために嘘をつくなら、頑張れるかもしれない。


俺が嘘を付き続けるだけで、お前が救われるというなら、俺は何度だって嘘を付くよ。




たとえ、その選択が間違っているとしても。