「……空我、旅行楽しもうな。――お前が母親のせいで海にいると全然楽しめないってんなら、俺がこれから、絶対にお前が旅行を楽しめるように、力の限りを尽くしてやるよ。


――絶対に、楽しい旅行だったって、生きる意味が見つかったって言わせてやるから、覚悟しとけよ?」


「うんっ!!」



目を真っ赤に晴らしながら、空我は精一杯頷いた。


「さっ、そうと決まれば、さっさと食おうぜ!!」

俺と空我の肩を勢いよく叩いて、潤は口元を綻ばせた。

「あーお肉焦げてる!野菜も!二人とも話が長いのよっ!!さっさと焼いて、食べよ食べよ」

大きな声を上げながら、黒焦げになった肉と野菜をビニール袋に捨てると、恵美は新しい肉と野菜を焼き始めた。