「……出来損ないのあんたなんか、死ねばいいのよ」


火傷した俺の腕を引いて体を無理矢理立ち上がらせると、母さんは背中を押して、俺の体を海に投げ飛ばした。

「ゴポッ!!??」

裸足になった母さんが、ズボンをめくって海に入ってきた。すると母さんは俺の背後に回って、なんの躊躇もなく、俺の顔を海に押し付けた。


「…ブハッ、ゴポゴポっ、母さんッ!!!」

息ができなくて、俺は死にものぐるいで顔をあげようとした。

けれど、母さんは俺が顔を上げるたびに、俺の顔を
海に戻そうとした。

「ゲホッ……っ」

意識が飛んでいく中で、俺が最後に見たのは、母親の満足そうな顔だった。