頭から床に倒れた俺に、叔父さんは八つ当たりするみたいに、そう大きな声で叫んだ。


――俺は出来損ない?


――姉は、優秀だった……?

知らなかった話を聞いて、俺は首を傾げたい衝動に駆られた。叔父さんを煽ることになりかねないからって、それができないのが、正直かなり歯がゆかった。


――あの日、病院で目を覚ました俺は、打撲の治療の後に検査を受けて、記憶障害だと診断された。


“家族。その中でも主に姉が自分の命を庇ったことによる精神的ショックが原因で、君は記憶を失った”


医者は、淡々とそういった。