俺の頭痛はただの打撲だったそうで、医者には1ヶ月もしないで元通りになると言われた。


両親は姉が死んだ1時間後に息を引き取って、俺はただ一人軽傷で生き残った。

俺はそのことに、心底頭がきた。よかったなんて思わなかった。――もしも後遺症が残っていたら、一刻も早く姉の元に行けるのに。



――後遺症が残らないなら、死にたいなら自殺するしかない。



そんなことを思う一方で、俺は姉の死に際の言葉を気がかりにも思いながらも、葬式までの日々を殆ど死んだように過ごした。


毎日がとてつもなく長く思えて、現実で1分が経った時には、もう既に10分が経っている気がした。