「「「せーのっ」」」


潤に押入れに案内してもらい、そこから、立脚のついたグリルを、声を上げて、三人で力を合わせて取り出した。


そうやって準備をしている間も、俺はずっと空我のことを考えていた。


空我からどうやって本音を聞き出そうかって、そればかりを考えていた。



――空我から本音を聞き出せないと、いつまで経っても生きた意味が見つからない気がしたから。


例えば友達と買い物を思いっきり楽しんだり、バーベキューをお互いが全力で楽しめば、生きた意味が見つかると思った。


――何気無い今を、お互いが全力で楽しめればいい。一人で楽しむのではなく、みんなで楽しむのが重要なんだ。その為にも、俺は空我の本音を聞き出して、空我を励ましたいと思っていた。
空我が、この旅行を全力で楽しめるように。

――それができたら、俺はこんな体でも生きた意味が見つかって、手術を受けて悔いなく死ねる気がしたんだ。