出入口のドアが開いて、そこから恵美が出てきた。


「奈々絵、大丈夫?」

隣にしゃがみこむと、恵美は心配そうに声をかけて、俺の頭を撫でてきた。


「……別に、平気だよ」


頭を撫でていた腕を掴んで、俺は恵美から目を逸らし、投げやりにそう返した。



「嘘。……だって奈々絵、泣いてるもん」


「……だったら、それなら教えろよっ!!なぁ恵美、楽しいってなんだ。生きるってなんだ。もうそんなのほとんど忘れたよ!!……こんな体で、生きる意味があるなら、教えてくれよ……」



気がつけば、俺はそう叫んでいた。



死ぬのに怯えて生きてるのは、もう嫌だ。


――できることなら、生きた意味を見つけて、死ぬのに怯えないで生きていけるようになりたかった。