――でも、そんなことすら、きっと俺には許されない。 それならせめて……。 せめて、姉と一緒に過ごしたことがある海で、空我達と思い出を作って、こんな体でも生きた意味を見つけてから、俺は死にたい。 ――そうしたら、再び手術が失敗に終わっても、悔いなく死ねる気がするから。 けれどそれは、きっと、叶わない願いだ。 「っう、クッソ……っ」 体育座りをしていた俺は、顔を膝につけて、声を押し殺して泣いた。