【奈々絵side】
ペンを走らせて書いた見守っていようの字の上に、涙がこぼれ落ちた。
「……っ!」
こんなことを書いて、恵美は喜ぶのか……っ!?
包装紙の橋を握りしめて、俺は自分に問いかけた。
――喜ぶわけがない。こんなのを貰ったって、彼女はただ俺が死んだのを悲しんで、泣くだけだ。
なんで、なんで……っ。
なんで俺は、あの子に。空我達に、何も言えないまま……っ。
――嫌だ。
嫌だ。死にたくない……。
遅い。遅すぎるんだ。
今更好きだなんて、ずっとずっと、そばにいたいだなんて……っ。
もし、吐き気や息切れ等、ありえないくらいの苦痛を訴えてくる体を無視してでも、君のそばにいれたら……っ。
叶わないと分かっていても、そんな願いを持ってしまう。
もう無理なのに……っ。