「……潤だけいたって、意味ないじゃん。俺達は5人で生きる意味を見つけて、幸せになるんじゃなかったのかっ!?」



“生きる意味なんて、俺にも全然わからない。でも、そうであるからこそ、それが見つかった時、人生はどうしようもなく楽しくなると思うんだ”って、いつか潤が言った。


俺が記憶を失くす前に。


五人で一緒に生きる意味を見つけようって、そう約束したハズなんだよ。


それなのになんで、何で奈々絵は……っ。


なんであいつは、俺達のそばにいないんだ?


「意味なんかなくたって、俺がずっとそばにいてやるよっ!!」


殆ど叫ぶみたいに、潤は言った。


「うっ、ああああ!!」


絶望と恐怖が、堰を切ったように口からこぼれだした。


「そばにいて……」


「ああ、いるよずっと」


俺の頭を撫でて、潤は言った。


――嫌だよ。


そばにいて。


潤だけは、お願いだからそばにいて……。


離れていかないで……。