**

 家に帰ると、あたしは空我と潤にグループ通話をして、さっきのことを話した。

《そっか。奈々絵そんなこと言ってたんだな……》

「うん。あたし、もうどうすればいいのかわかんなくて……」


 涙を拭いながら、あたしは言う。

 あたしは奈々絵を励ましたい。元気にしたい。でも、あたしじゃできないのかな……。

《辛いよな。……気持ちって複雑だ。俺も未だに母親のこと信じきれないんだけどさ、たぶん奈々絵もそれと似たような感じなんだと思う。


きっと信じたくないし、考えたくないんだよ。人殺しってずっと言ってきた奴が本当は自分のことが好きなんて、普通信じられないからな。


それに、めぐと奈々絵の二人だけじゃ生きていけないから。


だからめぐだけ思ってても意味ないってことだろ》


 低い声で、空我は言う。