ねぇ神様……今目の前に彼女がいるのが、最も愛する子がいるのが幻じゃないなら、最期にもう一度だけ。


――死ぬ前にもう一度だけ、笑顔を見せて。たとえそれが、作り笑いであろうとも。お願いだよ、神様……っ。


「……なんで?なんで最近、美弥香にも会ってないの?それだけ教えて?……それだけ聞いたら、すっぱり諦めるから!!


別れてあげる。……奈々絵がどうしてもそうしたいって言うなら」


そう言って、彼女は困ったように笑った。


その笑顔を見ただけで、俺は泣きそうになった。


……大好きだったよ、恵美。


君に会えてよかった。


神様なんていないと思ってた。でも君はきっと、俺の神様だったんだ。本当に。