「だって分かるもん!!……何年一緒にいると思ってんの!もう4年だよ?」

肩を支えてない方の手でもう片方の俺の肩を掴んで、恵美は言った。

「4年付き合っててもわからないことはある。……お前が今でも、俺の好きじゃないって言葉を信じられないようにな」

下を向いて、淡々と俺は言った。

「……だってそれ嘘だもん!!」

「……絶対にか?そうとも限らないだろ」

俺がそういうと、恵美の瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。

――お願い。


お願いだから、もうやめてくれ……。


これ以上、俺に嘘をつかせないでくれ……。


たとえ無理だとわかってても、最期に君の笑顔が見たかった。たったの一度で、もう一度だけでいいから……っ。